叢生の矯正期間は何年くらい?平均期間と治療を早めるコツを解説

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叢生(そうせい)とは、歯並びがデコボコ、ガタガタした状態になっている状態です。

不正歯列の一種で、「乱ぐい歯」「ガチャ歯」と呼ばれることもあります。

叢生を矯正しようとお考えの方のなかには、「どのくらいの治療期間がかかるの?」「早く治すにはどうしたらいい?」という疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。

個人差はあるものの、叢生の矯正では、治療に年単位の時間がかかるケースも少なくありません。

そこで、今回は以下の内容について解説します。

  • 叢生の矯正期間
  • 叢生の矯正方法による期間の目安
  • 叢生の矯正期間に影響を与える主な要因
  • 叢生の矯正期間を短縮する方法

この記事を読むことで、叢生の矯正にかかる平均的な治療期間や、治療をスムーズに進めるためのポイントがわかるようになります。

叢生にお悩みの方は、ぜひご参考にしてください。

叢生の矯正期間

叢生の矯正にかかる期間は、歯並びの乱れの程度や矯正方法、年齢、そして患者さまの治療への取り組み方などによって変わってきます。

ここからは、叢生の程度を軽度・中等度・重度に分けて、それぞれのおおよその治療期間についてご紹介します。

軽度の叢生

歯列のがたつきがわずかで、抜歯をともなわない軽度の叢生であれば、6ヶ月~1年程度の比較的短期間の矯正で改善が期待できます。

歯列の状態によっては、より治療期間の短い部分矯正で対応できるケースもあります。

中等度の叢生

中等度の叢生の治療期間の目安は、1年半~2年程度です。

歯を移動させるスペースが不足している場合は、抜歯やIPR(InterProximal Reduction)などの処置が必要になることもあります。

重度の叢生

歯のねじれや重なりが重度の叢生では、治療期間が2~3年、もしくはそれ以上かかることもあります。

骨格的な問題がある場合には、外科手術とワイヤー矯正・マウスピース矯正を組み合わせた外科矯正を検討されることも。

長期にわたる治療となるため、計画的に進めていくことが大切です。

叢生の矯正方法による期間の目安

叢生を治療する際には、以下のような矯正方法が選ばれます。

  • 表側矯正(ワイヤー矯正)
  • 裏側矯正(ワイヤー矯正)
  • ハーフリンガル矯正(ワイヤー矯正)
  • マウスピース矯正

矯正方法によって、治療期間にも違いがあります。

ここからは、代表的な矯正方法ごとの特徴と、治療期間の目安をご紹介します。

表側矯正(ワイヤー矯正)

表側矯正とは、歯の表面にブラケットとワイヤーを装着する、もっとも歴史のある矯正方法です。

前歯だけを整える部分矯正の場合は2ヶ月~1年程度、歯列全体を整える全体矯正では1~3年ほどかかるのが一般的です。

重度の叢生を含む、幅広い症例に対応できます。

装置の目立ちやすさはデメリットですが、微調整も効き、希望通りの治療結果を得やすい方法です。

裏側矯正(ワイヤー矯正)

裏側矯正では、歯の裏側にブラケットとワイヤーを装着します。

治療期間は、部分矯正では5ヶ月~1年、全体矯正では2~3年程度です。

矯正装置が舌側にあるため、表側矯正よりも調整が難しく、歯の移動に時間がかかる傾向にあります。

矯正していることを気づかれたくない方にはおすすめですが、装置が舌に当たりやすく、違和感や痛みが生じやすい点には注意が必要です。

ハーフリンガル矯正(ワイヤー矯正)

ハーフリンガル矯正とは、上は歯の裏側に、下は歯の表側にブラケットとワイヤーを装着する方法です。

部分矯正であれば5ヶ月~1年、全体矯正であれば2~3年が治療期間の目安となります。

見た目の目立ちにくさと、舌が装置に当たって生じる違和感の軽減の両立を目指した方法で、審美性と快適さのバランスを重視したい方に適しています。

裏側矯正に比べて費用を抑えられるケースが多いこともメリットです。

マウスピース矯正

透明なマウスピースを装着して、歯を少しずつ移動させていく矯正方法です。

部分矯正であれば2ヶ月~1年、全体矯正では1~3年程度かかるのが一般的です。

矯正装置が目立たず、患者さまご自身で取り外しできる点がメリットです。

ただし、三次元的な歯の移動が必要なケースや抜歯をともなうケースには適していない場合があります。

叢生の矯正期間に影響を与える主な要因

前項までにご紹介した矯正期間は、あくまで目安です。

実際の矯正期間は患者さまごとに異なり、以下のような要因により大きく変動することがあります。

  • 叢生の重症度
  • 矯正方法
  • 年齢
  • 患者さんの協力度

ここからは、治療期間に影響する主な要素について、詳しく解説します。

叢生の重症度

歯並びのがたつきが軽度であれば、比較的短期間で治療が完了するでしょう。

一方、歯が大きく重なり合っていたり、あごのスペースに対して歯列が収まっていなかったりするケースでは、治療に長い期間を要します。

さらに、歯を移動させるスペースの不足により抜歯が必要なケースでは、非抜歯の矯正に比べて、治療期間が長期化する傾向にあります。

関連記事:叢生は非抜歯で治せる?歯を抜かずに済むケースと注意点を解説

矯正方法

選択する矯正方法によっても、治療期間は大きく変わります。

前歯のみを移動させる部分矯正は、軽度の叢生に適しています。

どの矯正方法を選んでも、1年程度で完了することがほとんどです。

ただし、部分矯正は見た目だけの改善に限られ、噛み合わせの調整はできません。

ワイヤー矯正の全体矯正の治療期間の目安は1~3年程度です。

幅広い症例に対応できますが、マウスピース矯正よりも違和感や痛みが生じやすい点はデメリットといえるでしょう。

また、表側矯正よりも高度な技術を要求される裏側矯正では、治療期間の目安が2~3年程度と長期化しやすく、費用も高額になる傾向があるため、慎重な検討が必要です。

インビザラインに代表されるマウスピース矯正の全体矯正の治療期間の目安は、1~3年程度です。

透明なマウスピースを使うため、目立ちにくいのがメリットですが、患者さま自身で装着時間の自己管理が必要となります。

また、重度の叢生に対しては、マウスピース矯正単独での改善が難しい場合もあります。

年齢

矯正治療を開始する年齢によっても、治療期間は変動します。

ここでは「成長期の子ども」と「大人」の2つに分けて、それぞれ解説します。

成長期の子ども

矯正治療では、あごの骨の代謝を利用して歯を移動させていきます。

そのため、骨の代謝が活発な成長期の子どもの歯は動きやすく、治療がスムーズに進みやすい傾向にあります。

症例によって異なりますが、6ヶ月~2年程度で治療が完了することもあります。

大人

大人になると骨の代謝も落ち着くため、歯の移動に時間がかかる傾向があります。

一般的に、年齢が上がれば上がるほど矯正期間は長期化しやすいとされています。

そのため、成人の矯正治療期間の目安は6ヶ月~3年以上と幅広く見積もられています。

患者さまの協力度

矯正治療は、患者さまの協力なくしてはできません。

矯正治療の期間や成果を大きく左右する以下のポイントをおさえて、治療に臨むことが大切です。

  • 装置の装着時間(マウスピース矯正の場合)
  • 通院の頻度 
  • 口腔衛生管理(ワイヤー矯正の場合)

ここからは、それぞれのポイントについて具体的にみていきましょう。

装置の装着時間(マウスピース矯正の場合)

マウスピース矯正では、1日20時間以上の装着が基本となります。

装着時間が不足すると、歯が計画どおりに動かず、結果的に治療期間が長期化してしまいます。

通院の頻度 

矯正方法にもよりますが、矯正治療中は数週間~1ヶ月に1回程度の定期的な通院が必要となります。

通院が滞ると、矯正装置の調整や歯の動きの確認ができず、治療計画にズレが生じる恐れも。

再度治療計画を立て直す必要が出てくると、その分だけ治療期間が延びてしまう可能性があります。

口腔衛生管理(ワイヤー矯正の場合)

矯正装置の影響で磨き残しやすい部分ができると、虫歯や歯周病のリスクが高まります。

矯正治療中に虫歯や歯周病などの口腔内トラブルが発生すると、そちらの治療が優先されるため、矯正を一時中断しなければならないこともあります。

特に、ワイヤー矯正で装着するブラケットやワイヤーは患者さまご自身で取り外せないため、丁寧なケアが欠かせません。

歯ブラシだけでなく、タフトブラシや歯間ブラシ、デンタルフロスなども併用しつつ、日々のオーラルケアをしっかり行うことが大切です。

叢生の矯正期間を短縮する方法

叢生の矯正には年単位の時間がかかることが一般的ですが、近年では以下のような方法を活用することで、矯正期間を短縮できるケースも増えています。

  • 光加速装置の使用
  • コルチコトミーなどの外科的処置の併用
  • 矯正方法の併用

ここからは、治療期間の短縮が期待できる代表的な方法を詳しくご紹介します。

光加速装置の使用

光加速装置とは、歯周組織に近赤外線を照射することで細胞の代謝を活発にし、歯の移動を促す装置です。

マウスピース矯正では、交換サイクルを通常よりも短縮できる可能性があります。

ただし効果は個人差が大きいため、使用を希望する場合は歯科医師と相談しましょう。

コルチコトミーなどの外科的処置の併用

コルチコトミーは、歯の周囲の骨に小さな切れ込みを入れる外科的処置を指します。

骨の代謝を一時的に活性化させ、歯の移動を早めることが期待できます。

特に、骨の成長が終わった成人や、大幅な歯の移動が必要な症例において、矯正治療の期間を短縮する手段として有効です。

ただし、外科的処置のため、患者さまの健康状態や口腔内の状態によっては受けられないこともあります。

矯正方法の併用

ワイヤー矯正とマウスピース矯正を併用し、無理のない範囲で治療期間の短縮を目指す方法もあります。

たとえば、はじめにワイヤー矯正で大きく歯を動かし、その後マウスピース矯正で細かい調整を行うといった進め方です。

それぞれの矯正方法の長所を活かせる反面、治療計画の立案には高度な専門知識が必要とされるため、経験豊富な歯科医師のもとで行うことが重要です。

まとめ

叢生の矯正には、年単位の時間がかかることも少なくありません。

しかし、歯科医師の指示を守り、自己管理を徹底したうえで進めれば、治療期間を短縮することも可能です。

この記事を参考に、信頼できる歯科医師と相談しながらご自身に合った矯正プランを見つけていきましょう。

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野澤修一

コラム監修者

はぴねす歯科・矯正歯科 南千里駅前クリニック 総院長 野澤 修一
福岡歯科大学を卒業後、福岡県・大阪府・兵庫県の歯科医院にて14年間勤務。その後、2014年9月に「はぴねす歯科石橋駅前クリニック(大阪府池田市)」、2018年6月に「緑地公園駅前クリニック(大阪府府中市)」、2020年7月に「川西能勢口駅前クリニック(兵庫県川西市)」、2022年11月に「尼崎駅前クリニック(兵庫県尼崎市)」を開院。現在は医療法人はぴねすの理事長として4医院を運営。

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