叢生で歯周病リスクが高まる理由と治療するメリットを解説
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「叢生が原因で歯周病が進行している理由を知りたい」
「歯周病の悪化を防ぐための具体的な治療法や矯正方法を知りたい」
「矯正治療と歯周病治療をおこなえる歯科医院を探したい」
叢生や歯周病に悩まれている方のなかには、上記のようなお悩みをお持ちの方もいるのではないでしょうか。
叢生は磨き残しを発生しやすいため、歯周病を発症・進行させやすいです。
歯周病をはじめとする口腔内トラブルを改善・予防するには、歯周病治療や矯正治療が重要です。
この記事では、叢生で歯周病リスクが高まる理由と治療するメリットを解説します。
叢生と歯周病を治療したあとのメンテナンス方法や予防習慣もご紹介しているため、ぜひ最後までご覧ください。
目次
叢生(そうせい)における基本知識

叢生とは、歯が部分的に重なり合ったり、ねじれて生えたりして歯並びがガタガタになっている状態のことです。
専門的には不正咬合の一種で、乱杭歯(らんぐいば)とも呼ばれます。
叢生は、顎の大きさと歯の大きさのバランスが悪く、すべての歯が顎のアーチにきちんと収まりきらないのが原因で生じます。
叢生は、歯が密集している部分は清掃が困難であり、見た目の問題だけでなくお口の健康にも影響を与える歯並びです。
叢生で歯周病リスクが高まる理由

叢生で歯周病リスクが高まる理由は、以下の3つです。
- 歯ブラシが届きにくく磨き残しが増える
- 溜まったプラークが歯周ポケットを形成する
- 歯石の付着が炎症を悪化させる
1つずつ解説します。
歯ブラシが届きにくく磨き残しが増える
叢生の歯並びで歯周病リスクが高まる理由は、歯が重なり合う部分に歯ブラシが届きにくく、磨き残しが増えるのが原因です。
歯がねじれていたり、ガタガタに生えていたりする場所は、どんなに丁寧に磨いても汚れを完全に取り除くのが困難です。
磨き残したプラーク(歯垢)が細菌のすみかとなり、歯周病の発症・進行につながります。
清掃が不十分になりやすい環境こそが、叢生が歯周病を招く理由です。
溜まったプラークが歯周ポケットを形成する
磨き残されたプラーク(歯垢)が原因で歯茎に炎症が起きると、歯と歯茎の間に「歯周ポケット」と呼ばれる溝ができます。
プラークのなかの細菌が出す毒素によって、歯茎が腫れたり赤くなったりするのが歯肉炎の始まりです。
歯周ポケットが深くなると、さらに汚れが溜まりやすくなり、自分では掃除できない悪循環に陥ります。
この悪循環が歯周病の進行を加速させるおそれがあるのです。
歯石の付着が炎症を悪化させる
歯周ポケットのなかに溜まったプラークは、唾液の成分と結びついて歯石といった硬い塊になり、歯周病をさらに悪化させます。
歯石の表面はザラザラしているため、そのうえに新しいプラークが付着しやすくなります。
歯石は歯磨きでは取れず、歯科医院で専門の器具を使わないと除去ができません。この歯石が付着し続けると、歯を支える骨が溶かされ、歯周病が重症化する原因になります。
叢生を放置することで生じる歯周病以外のリスク

叢生を放置することで生じる歯周病以外のリスクは、以下の5つです。
- 虫歯になりやすい
- 口臭の原因になる
- 咀嚼機能が低下する
- 顎関節症を引き起こす可能性がある
- 見た目のコンプレックスにつながる
それぞれ解説します。
虫歯になりやすい
叢生の歯並びは、歯周病と同じ理由で虫歯のリスクも高めます。
歯が重なり合った部分は食べかすが残りやすく、歯ブラシも届きにくいため、虫歯の原因菌の温床となるのです。
とくに歯と歯の間から虫歯が進行しやすく、気づいたときには神経の近くまで達しているケースも少なくありません。
叢生の場合、毎日丁寧なセルフケアをおこなっても、汚れを完全に除去するのが困難な環境であるため、虫歯になりやすいです。
口臭の原因になる
歯磨きで落としきれなかったプラークや食べかすが細菌の温床となり、不快な口臭を発生させる原因になります。
歯と歯の間に残った汚れを細菌が分解する際に、臭いの強いガスを出すのが口臭の正体です。
また、歯周病が進行して歯茎から膿が出るようになると、口臭はさらに強くなる傾向があります。
叢生の歯並びを改善するのは、お口のエチケットを守るうえでも大切です。
咀嚼機能が低下する
叢生によって歯並びが乱れていると、上下の歯がうまく噛み合わず、食べ物をしっかり噛み砕く機能が低下するリスクがあります。
食べ物を十分に噛めないまま飲み込むと、胃や腸に負担がかかり、消化不良の原因になる場合も。
また、噛む回数が減るため、唾液の分泌が少なくなり、口の中が汚れやすくなる場合もあります。
顎関節症を引き起こす可能性がある
叢生が原因で噛み合わせがずれていると、顎の関節に余計な負担がかかり、顎関節症を引き起こす場合があります。
口を開けるとカクカク音が鳴る、顎が痛む、口が大きく開けられないといった症状が代表的です。
顎の不調は、頭痛や肩こりなど、全身の症状につながるケースも少なくありません。
歯並びの問題が、顎や体全体のバランスにまで影響をおよぼす場合があるため、早期治療が大切です。
見た目のコンプレックスにつながる
歯並びが不揃いな叢生は、見た目のコンプレックスとなり、精神的な負担につながるのが問題です。
人前で話すのが億劫になったり、思い切り笑えなくなったりと、日常生活での悩みを抱える方も少なくありません。
叢生による見た目のコンプレックスは、自分に自信が持てなくなる原因にもなり、対人関係にまで影響をおよぼすリスクがあります。
歯並びを整え、健やかな心を取り戻しましょう。
叢生を治療するメリット

叢生を治療するメリットは、以下の4つです。
- 歯磨きがしやすくなり歯周病や虫歯を予防できる
- 口臭が改善する
- しっかりと噛めるようになり消化を助ける
- コンプレックスが解消され自信につながる
1つずつご紹介します。
歯磨きがしやすくなり歯周病や虫歯を予防できる
叢生を治療して歯並びが綺麗に整うと、歯磨きがしやすくなり、歯周病や虫歯の予防につながります。
歯並びが改善することで、歯ブラシの毛先が届かなかった重なりの部分にもしっかりアプローチできるため、汚れの除去効率が上がるからです。
歯磨きが隅々までできると、プラーク(歯垢)の蓄積を抑えられるため、歯茎の健康を保ち、清潔な口内環境を維持しやすくなります。
叢生を治療するのは、将来にわたって自分の歯を長持ちさせるうえで大切です。
口臭が改善する
叢生の治療は、磨き残しを減らすのに効果的なため、口臭の改善にもつながります。
歯と歯の間に溜まっていたプラークや食べかすをしっかり除去できるため、不快な臭いの発生源を取り除けます。
歯茎の炎症が改善していくと、出血や膿による臭いも少なくなるでしょう。
自信を持って人と話すためにも、叢生を治療し、口内環境を清潔に保ちましょう。
しっかりと噛めるようになり消化を助ける
叢生の治療で上下の歯が正しく噛み合うようになると、今までうまく使えていなかった歯も機能するため、食べ物を細かくしてから飲み込めるようになります。
また、よく噛む習慣は唾液の分泌を促し、栄養の吸収をスムーズにします。
叢生を治療し、正しい噛み合わせを手に入れ、食事をより一層楽しみましょう。
コンプレックスが解消され自信につながる
叢生の治療で、ガタガタだった歯並びが綺麗に整うと、見た目のコンプレックスが解消され、自分に自信を持つきっかけになります。
今まで口元を隠して話していた方も、人前で自然な笑顔を見せられるようになるでしょう。
笑顔に自信が生まれると、気持ちが前向きになり、人とのコミュニケーションをより楽しめます。
矯正治療は、口元の健康だけでなく、心の健康にも良い影響を与えます。
歯周病の悪化を防ぐための治療法や矯正方法

歯周病の悪化を防ぐための治療法や矯正方法は、以下の3つです。
- 歯周病治療で歯茎の炎症をなくす
- 清掃しやすいマウスピース矯正を検討してみる
- ワイヤー矯正では歯周組織に配慮して弱い力でゆっくり歯を動かす
1つずつ見ていきましょう。
歯周病治療で歯茎の炎症をなくす
叢生のある方が矯正治療を始めるには、まず歯周病の専門的な治療を受け、歯茎が健康な状態になってからおこなうのが原則です。
歯茎に炎症が残ったまま歯を動かすと、歯周病の症状が急激に悪化し、最悪の場合、歯が抜けてしまうリスクがあります。
矯正装置をつける前に、歯科医院での歯石除去やクリーニングで、歯周病の原因となる細菌を徹底的に取り除くのが重要です。
清掃しやすいマウスピース矯正を検討してみる
歯周病リスクがある方の叢生治療では、取り外しが可能で清掃しやすいマウスピース矯正がおすすめです。
食事や歯磨きの際に装置を取り外せるため、矯正中もお口の中を隅々まで清潔に保ちやすいです。
ワイヤー矯正のように装置の周りに汚れが溜まる心配が少なく、歯周病の悪化を防ぎながら歯並びを整えられます。
また、マウスピース矯正は、歯茎への負担が比較的少ないため、歯周病の発症を防ぎながら叢生を治療する方法としておすすめです。
ワイヤー矯正では歯周組織に配慮して弱い力でゆっくり歯を動かす
もしワイヤー矯正を選ぶ場合は、歯周組織に配慮した弱い力でゆっくりと歯を動かす治療計画が必須です。
強い力をかけると、歯を支える骨や歯茎にダメージを与えるおそれがあります。
矯正治療中も定期的に歯茎の状態をチェックやクリーニングをおこなうなど、徹底した管理のもとで治療を進めましょう。
叢生と歯周病を治療したあとのメンテナンス方法や予防習慣

叢生と歯周病を治療したあとのメンテナンス方法や予防習慣は、以下の4つです。
- きれいな歯並びを保つために保定装置を必ず使う
- 毎日の歯磨きは歯間ブラシやフロスもセットをおこなう
- 歯科医院での定期的なクリーニングを続ける
- 頬杖や舌の癖など歯並びを乱す習慣を見直す
それぞれ詳しく見ていきましょう。
きれいな歯並びを保つために保定装置を必ず使う
矯正治療後の歯は元の位置に戻ろうとするため、きれいな歯並びを維持するには保定装置(リテーナー)を必ず使うのが大切です。
矯正装置を外した直後の歯の周りの骨は、まだ安定していません。
リテーナーは、歯が後戻りするのを防ぎ、新しい位置にしっかりと定着させるための大切な装置です。
矯正治療後は歯科医師の指示した保定装置の装着時間を守り、きれいな歯並びを保ちましょう。
毎日の歯磨きは歯間ブラシやフロスもセットをおこなう
歯周病の再発を防ぐには、歯ブラシだけでは届かない歯と歯の間の汚れを落とすため、歯間ブラシやフロスの併用が欠かせません。
歯並びが整っても、歯と歯が接する面や歯茎との境目は、プラークが残りやすい場所です。
毎日の歯磨きの仕上げに、補助的な清掃用具を使ってケアをおこなう習慣をつけましょう。
歯科医院での定期的なクリーニングを続ける
歯周病の再発を防ぎ、長期的に口の健康を守るには、歯科医院での定期的な専門的クリーニングが重要です。
普段の歯磨きでは取り除けない歯石の除去や、歯周ポケットの深さのチェックなどを専門家がおこなってくれます。
自分では気づきにくいお口の変化を早期に発見してもらえるため、口腔内トラブルに早めに対処するためにも、歯科医院での定期的なクリーニングを心がけましょう。
頬杖や舌の癖など歯並びを乱す習慣を見直す
歯並びの後戻りを防ぐには、無意識におこなっている頬杖や舌で歯を押す癖など、歯並びを乱す習慣の改善も重要です。
日常的に弱い力でも、歯に継続的にかかり続けると、歯は少しずつ動きます。
とくに舌で前歯の裏側を押す癖は、出っ歯や隙間の原因になりやすいため注意が必要です。
きれいな歯並びを維持するためにも癖を見直し、意識してやめる努力をしましょう。
矯正と歯周病治療に精通した歯科医院を選ぶポイント
矯正と歯周病治療に精通した歯科医院を選ぶポイントは、以下の4つです。
- 矯正認定医と歯周病専門医が在籍・連携している
- ホームページで「歯周矯正」の症例実績を確認する
- CTや歯周組織検査など精密な検査体制が整っている
- カウンセリングで治療の順序や連携について質問する
1つずつ解説します。
矯正認定医と歯周病専門医が在籍・連携している
歯周病のある方の叢生治療は、矯正と歯周病の両分野の専門家が協力する医院を選ぶのが安全です。
「日本矯正歯科学会認定医」と「日本歯周病学会専門医」が院内に在籍、または連携している歯科医院がおすすめです。
それぞれの専門知識をもとに最適な治療計画を立ててくれるため、歯周病の悪化を防ぎながら、安全に歯並びを整えられます。
ホームページで「歯周矯正」の症例実績を確認する
医院を選ぶ際は、公式Webサイトで、歯周病を抱えた患者様の歯周矯正の症例実績を確認しましょう。
自分と似たような歯並びや歯茎の状態だった人の治療前後の写真が掲載されている場合、医院の技術力を判断する良い材料になります。
多くの症例を経験している医院は、さまざまな状況に対応できるノウハウを持っているため、安心して治療を任せられるでしょう。
CTや歯周組織検査など精密な検査体制が整っている
歯周病を伴う叢生の治療では、歯を支える骨の状態を立体的に把握できる歯科用CTや、歯周組織の精密検査が重要です。
歯周病を伴う叢生の治療では、正確な検査データをもとに、歯を安全に動かせる範囲を見極め、無理のない治療計画を立てる必要があります。
せっかくの治療で後悔しないためにも、CTや精密検査の設備が整っており、検査結果を分かりやすく説明してくれる歯科医院を選びましょう。
カウンセリングで治療の順序や連携について質問する
納得して治療を始めるために、カウンセリングでは、歯周病治療と矯正治療の順序や連携体制について、具体的に質問するのが大切です。
「歯茎の状態をどこまで改善させるか」「矯正中の歯周病管理はどのようにおこなうか」などを事前のカウンセリングで確認しましょう。
安心して治療を任せられる歯科医院は、治療の全体像をしっかり説明してくれるのはもちろん、患者様の疑問に丁寧に答えてくれます。
まとめ
叢生によって磨き残しが発生しやすくなり、歯周病が発症・悪化するリスクが高まります。
叢生を治療するのは、見た目や機能面でのメリットはもちろん、歯周病を予防するうえでも重要です。
一般的に、歯周病治療をおこなってから叢生を治療するケースがほとんどです。
矯正治療や歯周病の治療に精通した歯科医院を選び、歯並びと歯周病の改善につなげましょう。
当院では、歯周病治療はもちろん、口腔内を清潔に保ちやすいマウスピース矯正でダイヤモンドプロバイダーに認定されています。
これは、豊富な実績と高い技術力が認められた証です。
歯周病や叢生でお悩みの方は、お気軽に歯科医師へご相談ください。
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コラム監修者
- はぴねす歯科・矯正歯科 南千里駅前クリニック 総院長 野澤 修一
- 福岡歯科大学を卒業後、福岡県・大阪府・兵庫県の歯科医院にて14年間勤務。その後、2014年9月に「はぴねす歯科石橋駅前クリニック(大阪府池田市)」、2018年6月に「緑地公園駅前クリニック(大阪府府中市)」、2020年7月に「川西能勢口駅前クリニック(兵庫県川西市)」、2022年11月に「尼崎駅前クリニック(兵庫県尼崎市)」を開院。現在は医療法人はぴねすの理事長として4医院を運営。