中学生の出っ歯を治す方法|治療法を選ぶ際の注意点も紹介

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「歯が出てるから嫌だ」と鏡を見て落ち込んでいるお子さんの姿を見て、胸を痛めていませんか? 思春期真っ只中の中学生にとって、見た目の悩みは、大人が思う以上にデリケートな問題です。

「きれいにしてあげたいけれど、金属の装置は目立つから嫌がるかも」「部活や受験勉強の邪魔にならないか心配」と、治療へ踏み出すのをためらう親御さんも多いのではないでしょうか。

中学生という時期は、顎の成長をコントロールできる機会であり、大人の矯正よりも歯が動きやすいため、出っ歯を治すのに適したタイミングです。

本記事では、中学生の出っ歯を治すための治療方法や費用・治療期間の目安を解説します。

治療法を選ぶ際に親御さんが気をつけてあげるべきポイントもご紹介しているため、ぜひ最後までご覧ください。

中学生の出っ歯を治す方法

中学生の出っ歯を治す方法は、以下の2つです。

  • ワイヤー矯正
  • マウスピース矯正

1つずつご紹介します。

ワイヤー矯正

ワイヤー矯正は、歯の表面や裏面にブラケットという器具をつけ、ワイヤーを通して歯を動かす治療法です。重度の出っ歯にも対応できるのがワイヤー矯正の強みです。

金属の装置が目立つのが欠点でしたが、最近では白や透明の目立ちにくい装置や、歯の裏側につける方法も選べます。

取り外せない固定式の装置であるため、マウスピース矯正のように、装着時間を管理する必要はありません。

ただ、装置周辺に汚れがたまりやすく、通常以上に時間をかけた丁寧な歯磨きが重要です。

表側矯正

ワイヤー矯正の表側矯正は、歯の表面にブラケットという装置を取り付け、そこにワイヤーを通して歯を動かす治療法です。幅広い症例に対応できるのがメリットで、大きく歯を動かす必要のある出っ歯治療にも効果が期待できます。

表側矯正は、ほかの方法と比べて費用を抑えられる傾向もありますが、装置が外から見えてしまうため、見た目が気になるのがデメリットです。また、食べ物が挟まりやすく、歯磨きを丁寧におこなわないと虫歯になりやすい点にも注意が必要です。

裏側矯正

ワイヤー矯正の裏側矯正は、歯の裏側(舌側)にブラケットとワイヤーを装着する治療法です。装置が周囲から見えにくいため、中学生の多感な時期で、矯正しているのを他人に知られたくないお子さんにおすすめの治療法と言えます。

ただし、装置が舌に当たりやすいため、慣れるまでは発音しにくかったり、口内炎ができたりする場合があります。また、高度な技術が必要となるため、治療費はほかの方法より高額になるのがデメリットです。

関連記事:裏側矯正で叢生は治せる?注意点やメリットを解説

ハーフリンガル矯正

ハーフリンガル矯正は、上の歯だけ装置を裏側に付け、下の歯は表側に付けるワイヤー矯正の方法です。ハーフリンガル矯正のメリットは、話したり笑ったりしたときに目立ちやすい上の歯の装置が見えない点にあります。下の歯は表側に装置が付きますが、唇で隠れやすいため、すべてを表側にするよりも見た目のストレスが少ないです。

ハーフリンガル矯正は、すべての歯の裏側に装置をつける方法よりも費用を抑えやすく、見た目と費用のバランスが良い治療法です。

マウスピース矯正

マウスピース矯正は、透明で目立たないマウスピース型の装置を、決められた期間ごとに交換しながら歯を動かしていく治療法です。マウスピース矯正のメリットは周囲から気づかれにくく、学校生活でもストレスが少ない点です。また、食事や歯磨きのときは自分で取り外せるため、衛生的で虫歯のリスクも抑えられます。

ただし、1日20時間以上の装着時間を自分で守る強い意志が必要です。装着時間が足りないと、計画通りに歯が動かず治療が進まない原因になります。

関連記事:重度の叢生はマウスピース型矯正治療で治せる?適切な治療方法を解説

中学生の出っ歯を治すのにかかる費用相場・治療期間

以下は、中学生の出っ歯を治す方法にかかる費用相場・治療期間をまとめた表です。

治療法費用相場治療期間
表側矯正60万円~100万円程度約1年~3年
裏側矯正100万円~150万円程度約2年~3年
ハーフリンガル矯正80万~120万円程度約1年~3年
マウスピース矯正80万円~100万円程度約1年半~3年

費用は各歯科医院によって異なり、治療期間にも個人差があります。それぞれの詳細は各歯科医院にお問い合わせください。

関連記事:叢生と出っ歯の治療法とは?各治療法の特徴や費用もご紹介
関連記事:出っ歯を一日で治す方法|費用・治療期間・デメリットも解説

中学生から出っ歯を治すメリット

中学生から出っ歯を治すメリットは、以下の6つです。

  • 顎の成長を利用して効率的に治療できる
  • 歯が動きやすく治療期間が短くなる場合がある
  • 抜歯をせずに治療できる可能性が高まる
  • 将来の虫歯や歯周病リスクを早期に軽減できる
  • 多感な時期のコンプレックスを早く解消できる
  • 装置への順応が早い

それぞれご紹介します。

顎の成長を利用して効率的に治療できる

中学生の時期は顎の骨がまだ成長段階にあるため、成長を利用して効率的に出っ歯を治療できるのがメリットです。

大人の矯正は完成した顎の骨のなかで歯を動かすだけですが、中学生の場合は顎の成長を適切な方向へ導く治療が可能です。たとえば、出っ歯の原因が上顎の過成長や、下顎の成長不足にある場合、そのバランスを整える装置を使うと、根本的な改善が期待できます。

歯が動きやすく治療期間が短くなる場合がある

中学生は新陳代謝が活発で骨が柔らかいため、大人に比べて歯がスムーズに動きやすいのが特徴です。

歯は、顎の骨が新しく作られたり吸収されたりするのを繰り返して動いていきます。中学生はこの骨の代謝が活発なため、矯正装置による力に体が反応しやすく、歯の移動が効率的におこなわれます。その結果、治療計画通りに進みやすく、大人になってから始めるよりもトータルの治療期間が短くなる可能性が高いです。

抜歯をせずに治療できる可能性が高まる

顎の成長を利用できる中学生の矯正では、大人の矯正なら抜歯が必要なケースでも、歯を抜かずに治療できる可能性が高いです。

出っ歯の治療で前歯をうしろに下げるスペースが足りない場合、大人は奥歯をさらにうしろへ動かすか、抜歯をしてスペースを作ります。しかし、中学生なら顎の成長をコントロールすることで、必要なスペースを生み出せる場合があります。

健康な歯を抜かずに済み、将来的に自分の歯を多く残せるのが中学生で出っ歯を治すメリットです。

関連記事:叢生は非抜歯で治せる?歯を抜かずに済むケースと注意点を解説

将来の虫歯や歯周病リスクを早期に軽減できる

中学生のうちに歯並びを整えると、将来の虫歯や歯周病のリスクを早期に軽減できます。

前歯が出て歯が重なっている部分は、唇が閉じにくく口が乾燥しやすいです。その結果、汚れが溜まりやすく、細菌が繁殖しやすい環境となります。中学生の段階で歯並びを整えて歯磨きしやすい状態にしておくと、口腔内を清潔に保ちやすくなります。10代から正しいケアの習慣をつけるのは、将来の健康にもつながるでしょう。

多感な時期のコンプレックスを早く解消できる

中学生という多感な時期に、見た目の悩みである出っ歯を解消できるのが、中学生のうちに出っ歯を治すメリットです。

歯並びは顔の印象を左右するため、出っ歯がコンプレックスとなり、人前で話すのが恥ずかしかったり、思い切り笑えなかったりする中学生もいます。矯正治療で出っ歯を治すのは、口元の美しさだけでなく、心の健康をサポートする役割も果たします。

装置への順応が早い

中学生は大人に比べて環境の変化への適応力が高いため、矯正装置の違和感にも比較的早く順応しやすいです。

矯正治療を始めると、装置による痛みや話しにくさ、食事のしにくさなどを感じます。大人はこの違和感が長期間ストレスになる場合がありますが、中学生は体が柔軟なため、新しい環境に慣れるのが早いのがメリットです。

中学生で出っ歯を治す方法を選ぶ際の注意点

中学生で出っ歯を治す方法を選ぶ際の注意点は、以下の6つです。

  • 【マウスピース矯正】本人が装着時間を守れるか
  • 【ワイヤー矯正】装置の見た目によるストレスはないか
  • 部活動に支障が出ないか
  • 治療中の痛みや違和感への理解があるか
  • 勉強や塾で忙しいなか定期的に通院できるか
  • 食後の歯磨きケアを徹底できるか

1つずつ解説します。

【マウスピース矯正】本人が装着時間を守れるか

マウスピース矯正を選ぶ場合の注意点は、本人が1日20時間以上という装着時間を厳守できるかです。

マウスピース矯正は目立ちにくいのがメリットですが、装着時間が短いと計画通りに歯が動かず、治療期間が延びる原因になります。

食事や歯磨き以外は常に装着し続ける必要があり、間食のたびに自分で着脱し、管理しなくてはなりません。

親の目が行き届きにくい学校生活で、本人が責任を持ってルールを守れる強い意志があるかを確認するのが大切です。

【ワイヤー矯正】装置の見た目によるストレスはないか

ワイヤー矯正を選ぶ際は、装置が目立つ見た目によって本人が精神的なストレスを感じないかを確認しましょう。

中学生は思春期で、他人の目を気にしやすい多感な時期です。友達にからかわれたり、見た目を気にして笑えなくなったりすると、治療自体が苦痛になりかねません。

本人が見た目をどれくらい気にするか、ストレスに耐えられそうかを事前に話し合っておきましょう。

部活動に支障が出ないか

治療法を選ぶ際は、本人がおこなっている部活動で支障が出ないかを考慮するのが大切です。

たとえば、吹奏楽部で管楽器を演奏する場合、ワイヤー矯正は唇や口の内側に当たって痛みが出たり、うまく吹けなくなったりする場合があります。また、激しい接触があるスポーツでは、装置で口腔内を怪我するリスクがあります。

マウスピース矯正なら外せる場合もありますが、その分装着時間が短くなる懸念もあるため、部活動の特性と治療法の相性を医師に相談するのが重要です。

治療中の痛みや違和感への理解があるか

どの矯正方法を選んでも、治療開始時や調整直後は歯が動く痛みや装置の違和感が出る点を本人が理解しておく必要があります。

矯正治療は歯に力をかけて動かすため、痛みには個人差があるものの、数日間は硬いものが噛みにくくなったり、痛みを感じたりするのが一般的です。ワイヤー矯正なら口内炎、マウスピース矯正なら締め付けられる感覚など、種類特有の不快感もあります。

本人がこれを一時的なものと理解し、乗り越えられるかどうかが治療継続では大切です。

勉強や塾で忙しいなか定期的に通院できるか

歯列矯正は治療完了まで定期的な通院が必須なため、勉強や塾、部活などで忙しい中学生がスケジュール通りに通えるかを確認しておきましょう。

ワイヤー矯正なら約1カ月に1回、マウスピース矯正でも数カ月に1回の調整や経過観察が必要です。通院を怠ると、歯の動きが止まったり、トラブルの発見が遅れたりして治療期間が延びる原因になります。

学校や塾の帰りに寄りやすい場所か、土日や夕方以降も診療しているかなど、無理なく通い続けられる歯科医院を選びましょう。

食後の歯磨きケアを徹底できるか

矯正中は装置の周りに食べかすが残りやすいため、本人が食後の歯磨きケアを徹底できるかが、虫歯を防ぐうえで重要です。

とくにワイヤー矯正は装置が複雑で、歯ブラシが届きにくい場所が増えるため、普段以上に丁寧な歯磨きが求められます。マウスピース矯正でも、食後に歯を磨かずに装置を戻すと、歯とマウスピースの間に細菌が密閉され、虫歯リスクが高まります。

学校の給食後も歯磨きやうがいをしっかりおこなう習慣をつけさせるのが大切です。

まとめ

中学生の出っ歯を治す方法は、小児矯正の延長ではなく大人の矯正と同じ扱いになりますが、成長期を利用できるため歯が動きやすく、ワイヤー矯正やマウスピース矯正で効果的に改善可能です。

最近では透明で目立ちにくいマウスピース矯正も選べるため、見た目を気にするお子さんでも周囲の視線を気にせず、前向きに治療に取り組みやすくなりました。まずは歯科医院へ相談に行き、最適な方法を見つけてあげましょう。

当院では、多感な時期である中学生のお子さんのお気持ちに寄り添い、患者様1人ひとりの骨格に合わせた最適な治療計画をご提案いたします。「どの治療法がいいかわからない」「痛みが心配」といったご不安にも分かりやすくご説明いたしますので、まずは親子ご一緒に当院の無料カウンセリングへお越しください。

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野澤修一

コラム監修者

はぴねす歯科・矯正歯科 南千里駅前クリニック 総院長 野澤 修一
福岡歯科大学を卒業後、福岡県・大阪府・兵庫県の歯科医院にて14年間勤務。その後、2014年9月に「はぴねす歯科石橋駅前クリニック(大阪府池田市)」、2018年6月に「緑地公園駅前クリニック(大阪府府中市)」、2020年7月に「川西能勢口駅前クリニック(兵庫県川西市)」、2022年11月に「尼崎駅前クリニック(兵庫県尼崎市)」を開院。現在は医療法人はぴねすの理事長として4医院を運営。

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