大人の叢生を治療する方法|費用やリスクも解説

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「歯並びがガタガタして見た目が気になるため、矯正方法や費用を知りたい」

「大人になってからでも矯正できるか、治療期間や痛みがどの程度かを知りたい」

「矯正中に仕事や日常生活へ支障が出ないか、不安を解消したい」

大人になって叢生を治療したいと考える方のなかには、上記のようなお悩みをお持ちの方もいるのではないでしょうか。

大人の叢生の治療には、ワイヤー矯正やマウスピース矯正があります。この記事では、叢生を治療する各方法の特徴や費用を解説します。

大人の叢生を矯正治療する際のリスクや、治療のおおまかな流れもご紹介しているため、ぜひ最後までご覧ください。

目次

大人の叢生とは

大人の叢生とは、歯を並べるスペースが足りず、歯が重なり合ってガタガタに生えている状態のことです。叢生は、見た目が気になるのはもちろん、歯磨きを隅々までおこなうのが困難なため、虫歯や歯周病のリスクを高める原因になります。

大人の叢生は、子どものころからの歯並びだけでなく、長年の噛み合わせの力や歯周病による歯の移動が影響しているのが特徴です。

大人でも叢生を治療できるのか

大人の叢生は年齢を問わず矯正治療で改善が可能です。ただし、大人は骨の代謝が緩やかなぶん子どもの骨と比べて歯の動きが遅いため、治療期間が長くなる傾向があります。また、歯をきれいに並べるスペースを作るために、抜歯が必要なケースも少なくありません。

叢生の治療を検討している方は、長期的な治療や抜歯も視野に入れたうえで歯科医師と治療法を選択しましょう。

子どもと大人の叢生の違い

子どもと大人の叢生の治療における違いは、顎の成長を利用できるかどうかです。子どもの矯正は顎の成長を促しながらスペース作りをおこなえますが、大人は骨格が完成しているため、治療の難易度が少し上がります。また、大人の叢生では、長年の噛み癖や歯周病といったリスクも考慮した治療計画が重要です。

子どもと大人の叢生の違いは、顎の成長を利用できるかどうかであり、大人の場合は、歯をきれいに並べるためのスペースを別の方法で確保する必要があります。

大人の叢生を治療する方法

大人の叢生を治療する方法は、以下の2つです。

  • ワイヤー矯正
  • マウスピース矯正

1つずつ解説します。

ワイヤー矯正

ワイヤー矯正は、叢生をはじめ幅広い歯並びの乱れに対応できる一般的な治療法です。歯の表面または裏側にブラケットとワイヤーを装着し、少しずつ歯を動かして整えていきます。

ワイヤー矯正は、治療効果が高く、重度の叢生にも適応可能ですが、装置が目立ちやすい点や清掃のしにくさがあるため注意が必要です。

ワイヤー矯正には、以下の3種類あります。

  1. 表側矯正
  2. 裏側矯正
  3. ハーフリンガル矯正

それぞれご紹介します。

表側矯正

表側矯正とは、歯の表面にブラケットとワイヤーを装着する方法です。多くの叢生の症例に対応できる適用範囲の広さと、高い治療効果が特徴です。

表側矯正は、ほかのワイヤー矯正と比べて費用を比較的抑えられるのがメリットですが、笑ったり話したりすると装置が見えやすいため、矯正中の審美性よりも費用を抑えて矯正したい方に向いています。

裏側矯正

裏側矯正は、歯の裏側に装置を取り付けるため、外からはほとんど見えないのが特徴です。表側矯正よりも費用は高いですが、矯正しているのを他人に気づかれにくいため、見た目を重視する大人の方におすすめな治療法です。

ただし、裏側矯正は装置が舌に触れるため、慣れるまでは違和感があったり、発音しにくかったりする場合もあります。

ハーフリンガル矯正

ハーフリンガル矯正は、上の歯を裏側、下の歯を表側に装置を付けることで、見た目と費用の両立を目指す方法です。話すときにとくに目立つ上の歯だけを裏側にするため、全体の審美性を保てます。

下の歯は比較的安価な表側矯正をおこなうため、すべてを裏側矯正にするよりも費用を抑えられるのがハーフリンガル矯正の特徴です。

マウスピース矯正

マウスピース矯正は、オーダーメイドで作成した透明なマウスピースを定期的に交換し、歯を動かしていく治療法です。装置が目立たないうえ、ご自身で取り外しができるため、食事や歯磨きを普段通りにおこなえます。

ただし、マウスピース矯正は、重度の叢生には適用できない場合があるほか、1日20時間以上の装着が必要であり、ご自身での徹底した管理が治療結果を左右する治療法です。

関連記事:重度の叢生はマウスピース型矯正治療で治せる?適切な治療方法を解説

叢生の矯正では抜歯が必要?

叢生の矯正では、歯を並べるスペースが足りないと、抜歯が必要な場合があります。とくに大人は顎の成長が終わっているため、歯を動かす場所が少なく抜歯を選択するケースが多いです。

しかし、歯列を広げたり奥歯を後ろに動かしたりして、抜歯せず治療をおこなう選択肢もあるため、どの方法がご自身に合っているかは、専門医の診断をもとに判断しましょう。

関連記事:叢生は非抜歯で治せる?歯を抜かずに済むケースと注意点を解説

【治療別】大人の叢生の治療にかかる費用と治療期間の比較表

以下は、大人の叢生の治療にかかる費用と治療期間を表にまとめたものです。

費用治療期間
表側矯正全体矯正:約60万円~130万円部分矯正:約30万円~60万円全体矯正:約1年~3年部分矯正:約2カ月~1年
裏側矯正全体矯正:約100万円~170万円部分矯正:約40万円~70万円全体矯正:約2年~3年部分矯正:約5カ月〜1年
ハーフリンガル矯正約80万円~130万円約1年~3年
マウスピース矯正全体矯正:約60万円~120万円部分矯正:約10万円~60万円全体矯正:約1年半~3年部分矯正:約3カ月~1年

治療期間には個人差があり、費用は歯科医院によって異なるため、詳細は歯科医院にお問い合わせください。

大人の叢生の治療の流れ

大人の叢生の治療は、以下の8段階でおこなわれます。

  1. 無料カウンセリング・初診相談
  2. 精密検査・診断
  3. 治療計画の立案と説明
  4. 治療前の準備(抜歯や虫歯治療など)
  5. 矯正装置の装着・治療スタート
  6. 定期的な調整・通院
  7. 矯正装置の除去・保定期間の開始
  8. 治療後のメンテナンス

1つずつ解説します。

①無料カウンセリング・初診相談

無料カウンセリング・初診相談は、ご自身の歯並びの悩みを専門家に伝え、治療の概要を把握する最初のステップです。歯科医師が患者さんの口腔内を見たうえで、考えられる治療方法や、おおよその費用・期間を説明してくれます。

無料カウンセリング・初診相談で歯科医師に疑問や不安に思う点をすべて相談し、納得のいく回答を得るのが大切です。

②精密検査・診断

精密検査・診断では、レントゲン撮影や歯型採取などをおこない、歯並びの状態を科学的に分析します。目視ではわからない顎の骨格や歯の根っこの状態まで詳しく調べるのが、精密検査・診断の目的です。

検査結果は、安全で効果的な治療計画を立てるうえで、欠かせない基礎資料といえます。

③治療計画の立案と説明

治療計画の立案と説明とは、精密検査の結果をもとに、歯科医師が患者さんに合った治療方法や費用を具体的に提案する段階です。ワイヤー矯正やマウスピース矯正といった選択肢のメリット・デメリットや、正確な見積もりなどが提示されます。

矯正治療で後悔しないためにも、治療内容にしっかりと納得したうえで、治療を開始するかどうかを決めましょう。

④治療前の準備(抜歯や虫歯治療など)

治療前の準備は、矯正装置を付ける前に、口腔内を最適な状態に整えるための大切な処置です。たとえば、歯をきれいに並べるスペースが足りない場合は、抜歯をおこないます。

また、虫歯や歯周病が見つかった際は、矯正治療の妨げにならないよう、この段階でしっかりと治しておく必要があります。

⑤矯正装置の装着・治療スタート

矯正装置の装着は、治療計画をもとに選んだ装置を歯に取り付け、治療が本格的に始まる段階です。ワイヤー矯正の場合はブラケットを接着し、マウスピース矯正なら最初の装置を受け取ります。

この日から歯が少しずつ動き始め、ガタガタだった歯並びが徐々に改善していきます。

⑥定期的な調整・通院

定期的な調整・通院とは、治療を計画通りに進めるために、月に1回程度のペースで歯科医院へ通う期間のことです。ワイヤーの力を調整したり、新しいマウスピースに交換したりする処置をおこないます。

また、治療中の歯磨きの指導や、口の中に問題が起きていないかチェックする大切な機会です。

⑦矯正装置の除去・保定期間の開始

矯正装置の除去とは、歯並びがきれいになったあとに装置を外し、後戻りを防ぐための保定期間へと移行する段階です。動かした直後の歯は、もとの位置に戻ろうとする性質があります。

そのため、矯正装置を取り外したあとの保定期間は、リテーナーと呼ばれる装置を装着し、整った歯並びを定着させるための大切な段階です。

⑧治療後のメンテナンス

治療後のメンテナンスは、整った歯並びと健康な口内環境を長期的に維持するための、定期的なチェック期間です。リテーナーの使用状況や噛み合わせに問題がないかを確認し、専門的なクリーニングをおこないます。

矯正治療で手に入れた美しい口元を長期的に保つため、歯科医師と管理していきましょう。

大人の叢生を治療するメリット

大人の叢生を治療するメリットは、以下の7つです。

  • 見た目のコンプレックスが解消される
  • 虫歯や歯周病のリスクが低減する
  • 歯磨きがしやすくなる
  • 口臭の予防・改善につながる
  • 咀嚼機能が向上する
  • 顎関節への負担が軽減される
  • 長期的に歯の寿命を延ばせる

1つずつ見ていきましょう。

見た目のコンプレックスが解消される

叢生を治療するメリットは、ガタガタだった歯並びがきれいになり、見た目のコンプレックスが解消される点です。整った口元は清潔感のある印象を与え、自然と笑顔に自信が持てるようになります。

人前で話すときや写真を撮るときに口元を気にしていた方も、見た目を気にするストレスから解放されます。

虫歯や歯周病のリスクが低減する

叢生の治療で歯並びが整うと、虫歯や歯周病のリスクを低減できるのがメリットです。歯が重なった部分が改善され、歯磨きで汚れをしっかり落とせるため、原因となる細菌の温床を作りにくくなります。

清潔な口腔環境を維持しやすくなるのが、矯正治療がもたらす健康上のメリットです。

歯磨きがしやすくなる

矯正治療によって歯の重なりがなくなると、歯ブラシやフロスが隅々まで届きやすくなり、毎日のセルフケアがしやすくなります。磨きにくかった部分も簡単に清掃できるようになるため、歯磨きにかかる時間やストレスが軽減されます。

叢生を治療してセルフケアの質を向上させるのは、口腔内の健康を守る基本です。

口臭の予防・改善につながる

口臭の予防・改善につながるのも、叢生の治療で得られるメリットの1つです。磨き残しによる汚れや歯石は、口臭を引き起こす細菌のすみかとなります。

歯並びが整うと汚れの蓄積が減るため、口臭の根本的な原因を抑えられます。大人の叢生を治療して清潔な口腔環境を手に入れるのは、口臭を抑えるのに効果的な手段です。

咀嚼機能が向上する

叢生を治療して、噛み合わせが整うと、食べ物を効率よく噛み砕けるようになり、咀嚼機能が向上します。しっかりと噛めるようになると食べ物の消化吸収を助け、胃腸への負担を軽減するため、栄養をきちんと摂取できます。

叢生を治療してしっかり咀嚼できるようになるのは、体全体の健康を維持するうえでも大切です。

顎関節への負担が軽減される

叢生の治療で噛み合わせの偏りが改善されると、顎の関節にかかる不自然な負担が減り、顎関節症のリスクを軽減できます。叢生によって引き起こされていた顎の痛みや、口を開けにくいといった症状の改善につながる場合があります。

また、噛み合わせのバランスが整うと、原因不明の頭痛や肩こりが和らぐ効果も。

長期的に歯の寿命を延ばせる

叢生の治療は、ご自身の歯を1本でも多く残し、長期的に歯の寿命を延ばすための投資です。虫歯や歯周病で歯を失うリスクを減らせるため、将来にわたってご自身の歯で食事を楽しめる可能性が高まります。

叢生の治療で、費用のかかるインプラントや入れ歯になるリスクを下げ、歯の長期的な健康を保ちましょう。

大人の叢生を放置するデメリット

大人の叢生を放置するデメリットは、以下の6つです。

  • 虫歯や歯周病のリスクが高い
  • 口臭が悪化する原因になる
  • 見た目のコンプレックスが強くなる
  • 顎関節症や頭痛・肩こりを引き起こすリスクが高まる
  • 歯の寿命を縮めるリスクがある
  • 将来的な治療の選択肢が狭まる・費用が増加する

それぞれ解説します。

虫歯や歯周病のリスクが高い

叢生を放置するリスクは、歯が重なった部分の清掃が困難で、虫歯や歯周病になりやすい点です。歯ブラシが届きにくい場所には汚れが残りやすいため、細菌が繁殖しやすい環境になります。

気づかないうちに歯周病が静かに進行し、将来的に歯を支える骨を溶かす場合もあるため、叢生の治療で虫歯や歯周病のリスクを下げましょう。

口臭が悪化する原因になる

歯磨きで落としきれなかった汚れが口臭を悪化させる原因になるのも、叢生を放置するデメリットです。歯と歯の間に残った食べかすや歯垢をもとに、細菌が増殖して不快な臭いのガスを発生させます。

どんなにケアをしても口臭が改善しにくいと感じる場合、歯並びそのものに問題が隠れている可能性があるため、歯科医師との相談をもとに、叢生の治療も検討してみましょう。

見た目のコンプレックスが強くなる

叢生をそのままにして、ガタガタの歯並びが気になってしまうと、見た目のコンプレックスが強くなるといった精神的なデメリットがあります。見た目にコンプレックスを感じると、人前で自然に笑えなくなったり、会話の際に無意識に口元を手で隠したりするようになります。

コンプレックスで生じる行動は、コミュニケーションへの消極性につながり、大人の方は日々の生活や仕事のにも影響を与えかねません。叢生の治療で歯並びを改善し、精神的なストレスを解消しましょう。

顎関節症や頭痛・肩こりを引き起こすリスクが高まる

噛み合わせの不調和が、顎関節症や原因不明の頭痛・肩こりを引き起こすリスクを高めます。叢生によって正しく噛めない状態が続くと、顎の関節や周りの筋肉に負担をかけるのが原因です。

また、顎の痛みや口の開けにくさだけでなく、全身のバランスにも影響し、慢性的な不調につながるリスクも否定できません。叢生を治療し、顎関節や頭痛、肩こりはもちろん、全身の健康維持に役立てましょう。

歯の寿命を縮めるリスクがある

特定の歯に過度な負担がかかり、歯の寿命を縮めてしまうリスクがあるのもデメリットです。正しく噛み合っていないと、食事のたびに一部の歯だけが強くぶつかり、摩耗や欠損を招きやすくなります。

ダメージが長年蓄積すると、健康な歯ですら早期に失うリスクがあるため、叢生の治療で歯も摩耗や欠損を防ぎましょう。

将来的な治療の選択肢が狭まる・費用が増加する

放置して叢生が悪化すると、将来的な治療の選択肢が狭まり、期間や費用が増加するリスクがあります。たとえば、若いうちなら抜歯せずに済んだ症例でも、年齢を重ねてからだと抜歯や外科的な処置が必要になる場合があります。

叢生の放置は、早期に治療を始めるのに比べて身体的・経済的にも負担になるため、早めに歯科医師へご相談ください。

関連記事:叢生を放置するとどうなる?リスクと矯正の必要性を解説

大人の叢生の原因

大人の叢生の原因は、以下の4つです。

  • 歯の並ぶスペースが不足している
  • 歯の本数が多い
  • ほかの歯より小さい歯がある
  • 舌癖がある

1つずつご紹介します。

歯の並ぶスペースが不足している

叢生の根本的な原因は、顎が小さい、または歯が大きいといった理由で、歯が並ぶためのスペースが不足している点です。現代人は、柔らかい食べ物が中心なため、顎が小さい傾向にあり、すべての歯がきれいに収まる場所が不足しやすいです。

歯が収まるスペースが足りない結果、歯が前後にズレたり重なり合ったりしてしまい、ガタガタの歯並びになります。

歯の本数が多い

生まれつき歯の本数が多い過剰歯(かじょうし)が存在すると、正常な歯の萌出を妨げ、叢生の原因となる場合があります。決められたスペースに余分な歯が生えてくるため、本来そこに並ぶはずだった歯を違う方向へと押し出すのが原因です。

結果として歯列全体のバランスが崩れ、部分的なガタつきを引き起こします。

ほかの歯より小さい歯がある

歯のなかに矮小歯(わいしょうし)と呼ばれる、ほかと比べて極端に小さい歯があると、歯列全体のバランスが崩れて叢生を招きます。小さい歯の周りにできた隙間を埋めようと、隣の歯が傾いたり移動したりするのが原因です。

小さなズレがドミノ倒しのように広がり、最終的には全体の歯並びに影響を与えかねません。

舌癖がある

無意識に舌で歯を押したり、特殊な飲み込み方をしたりする舌癖(ぜつへき)も、大人の叢生を悪化させる原因です。食事や会話のたびに、弱い力でも継続的に歯に圧力が加わり続けると、歯は少しずつ動きます。

子どものころの癖が治っていない場合だけでなく、大人になってからでも歯並びに影響をおよぼす場合もあります。

大人の叢生は予防できる?

大人の叢生を完全に予防するのは困難ですが、今ある歯並びを悪化させないための対策は可能です。大人は顎の成長が終わっているため、歯周病で歯が動くのを防ぐ口腔ケアや、舌癖を改善するといった工夫が重要になります。

定期的な歯科検診で口の状態をチェックしてもらうのが、叢生を予防するうえで大切です。

大人の叢生を矯正治療する際のリスク・注意点

大人の叢生を矯正治療する際のリスク・注意点は、以下の7つです。

  • 治療中にともなう痛みや違和感・口内炎のリスクがある
  • 矯正装置により虫歯・歯周病リスクが高まる
  • 歯根吸収になるリスクがある
  • 歯肉退縮やブラックトライアングルのリスクがある
  • 治療後の「後戻り」に注意する
  • 食事や日常生活に制限がかかる
  • 健康な歯を抜歯する場合がある

それぞれ解説します。

治療中にともなう痛みや違和感・口内炎のリスクがある

矯正治療中は、歯が動く際の痛みや装置による違和感、そして口内炎のリスクがともないます。とくに装置を調整したあとの数日間は、締め付けられるような痛みを感じやすいです。

また、装置が頬の内側や舌にこすれると口内炎ができやすくなるため、保護用のワックスを使う工夫が必要です。

矯正装置により虫歯・歯周病リスクが高まる

矯正装置の周りは汚れが溜まりやすいため、普段以上に虫歯や歯周病になるリスクが高まる点に注意が必要です。装置が複雑な形をしているぶん、どうしても磨き残しが増えます。

日々の丁寧な歯磨きを怠ると、矯正中に新たな口内トラブルを招き、治療計画に影響を与えかねません。矯正治療中は、歯間ブラシやデンタルフロスなどのデンタルグッズを活用し、丁寧な口腔内ケアを心がけましょう。

歯根吸収になるリスクがある

叢生の治療で、まれに歯根吸収になる場合があります。歯根吸収とは、矯正治療で歯を動かす過程において、歯の根っこが少し短くなることです。ほとんどの場合はごくわずかなため、歯の寿命に影響はありません。

しかし、ごくまれに吸収が進むと、歯が不安定になるリスクがあるため、レントゲンで定期的に確認しながら治療を進めるのが大切です。

歯肉退縮やブラックトライアングルのリスクがある

歯が動くと歯茎が下がる歯肉退縮や、歯と歯の間に黒い三角形の隙間ができるブラックトライアングルのリスクがあります。もともと歯が重なっていた部分を整えると、歯茎がそのスペースを完全に埋めきれないのが審美的な問題が起こる原因です。

大人の場合は、叢生を治療するうえで歯肉退縮やブラックトライアングルなど、問題が起こりやすくなるため注意しましょう。

治療後の「後戻り」に注意する

治療後の後戻りは、矯正装置を外したあとに歯が元の位置に戻ろうとする現象で、治療後に注意したい点の1つです。動かしたばかりの歯はまだ不安定なため、リテーナーで固定する期間が必要です。

歯科医師の指示通りにリテーナーを使わないと、長い時間と費用をかけた治療が無駄になる場合もあるため、治療が終わったからと油断せず、リテーナーの装着を徹底しましょう。

食事や日常生活に制限がかかる

矯正治療中は、装置の破損を防ぐための食事制限や、見た目・発音など日常生活における慣れが必要です。お餅やキャラメルのような粘着性の高い食べ物や、硬い食べ物は装置を壊す原因になるため、矯正中は控えましょう。

また、裏側矯正の場合、舌の動きに慣れるまで少し時間がかかる場合があります。矯正を始める準備の1つとして、矯正中は食事や会話などに制限がかかるのを事前に把握しておきましょう。

健康な歯を抜歯する場合がある

歯をきれいに並べるスペースが足りない場合、治療計画の一環として健康な歯を抜く場合があります。抜歯は、顎の骨の大きさと歯の大きさのバランスを整え、長期的に安定した歯並びを作るためにおこなわれる処置です。

抜歯するかどうかは、精密検査の結果をもとに慎重に判断されるため、まずは専門家である歯科医師の説明をしっかり聞き、抜歯の理由を理解するのが大切です。

まとめ

大人でも叢生の矯正治療は可能で、コンプレックス解消や虫歯や歯周病のリスク軽減など、見た目や健康面でさまざまなメリットがあります。叢生の治療法には、ワイヤー矯正やマウスピース矯正など複数の方法があるため、症例やライフスタイルに応じて選択するのが大切です。

一方、叢生を放置すると虫歯・歯周病・口臭・顎関節症などのリスクが高まり、将来的な治療費や選択肢にも悪影響をもたらします。

当院では、年間300症例以上の矯正治療実績があり、豊富な経験と専門知識にもとづいて、患者様一人ひとりに最適な矯正治療を提供しています。叢生でお悩みの方は、お気軽にご相談ください。

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野澤修一

コラム監修者

はぴねす歯科・矯正歯科 南千里駅前クリニック 総院長 野澤 修一
福岡歯科大学を卒業後、福岡県・大阪府・兵庫県の歯科医院にて14年間勤務。その後、2014年9月に「はぴねす歯科石橋駅前クリニック(大阪府池田市)」、2018年6月に「緑地公園駅前クリニック(大阪府府中市)」、2020年7月に「川西能勢口駅前クリニック(兵庫県川西市)」、2022年11月に「尼崎駅前クリニック(兵庫県尼崎市)」を開院。現在は医療法人はぴねすの理事長として4医院を運営。

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