出っ歯を自分で治すことは可能?間違った方法と伴うリスクを紹介
無料相談受付中!
お気軽にご連絡ください。
鏡を見たときや撮られた写真を見て、「もう少し口元が引っ込んでいたら」と落ち込むことはありませんか?
「歯列矯正をすればきれいになるのは分かっているけれど、何十万もする費用はすぐには出せない」「矯正器具をつけるのにも抵抗がある」と、悩んでいる方は少なくありません。
そんなとき、SNSや動画サイトで「自力で出っ歯を治す方法」や「指で押して矯正する」といった情報を見かけると「これなら私にもできるかも!」「お金をかけずに治せるなら試してみたい」と、希望を感じてしまうのではないでしょうか。
しかし、出っ歯を自力で動かして治すのは医学的に不可能であり、自己流の矯正は歯の寿命を縮める危険な行為です。「良かれと思ってやったこと」が、かえって歯並びを悪化させたり、最悪の場合は歯が抜けてしまったりする原因にもなりかねません。
本記事では、出っ歯を自力で治そうとして失敗する方法や、インターネットで見かける間違った矯正方法に潜む恐ろしいリスクを解説します。
出っ歯を治すための専門的な治療法や、自分でできる出っ歯を予防するための方法もご紹介しているため、ぜひ最後までご覧ください。
目次
出っ歯は自分で治せるのか?

すでに生えてしまった出っ歯を、指で押したり割り箸を噛んだりして自分で治すのは不可能です。出っ歯を自分で治すのは、歯や歯茎を傷つけ、歯並びを余計に悪化させる危険な行為にあたります。
歯は顎の骨にしっかり埋まっており、専門的な知識なしに無理な力を加えると、歯の根が溶けたり、最悪の場合は歯が抜けたりするリスクがあります。
インターネットで見かける方法は、あくまで出っ歯の原因となる癖を直す予防法にすぎません。骨格や歯並びが原因の出っ歯は、自分で治すのではなく歯科医院へ相談してください。
出っ歯を自力で治す方法で避けるべき行動

出っ歯を自力で治そうとして失敗する方法は、以下の5つです。
- 指や手で歯を継続的に押し続ける
- 割り箸やアイスの棒などを噛んで圧力をかける
- 市販の矯正を謳うマウスピースを使う
- 輪ゴムを歯にかけて引っ張る
- 爪やヤスリなどで歯を削ろうとする
1つずつ解説します。
指や手で歯を継続的に押し続ける
指や手で歯を継続的に押し続ける方法は、歯並びをさらに悪化させる可能性がある危険な行為です。
歯列矯正は、歯の根まで考慮した正しい方向へ適切な弱い力をかけ続ける必要があります。素人が指で押す力は強すぎたり、方向が間違っていたりするため、歯が変な方向に傾く、歯の根が溶けて短くなるといった原因になります。むしろ、指しゃぶりが出っ歯の原因になるのと同じで、不規則な力は歯並びを崩す元凶です。
割り箸やアイスの棒などを噛んで圧力をかける
割り箸やアイスの棒などを噛んで出っ歯に圧力をかける方法は、歯や顎の関節を痛めるだけで治りません。この方法では、矯正治療に必要な持続的で弱い力とは違い、短時間で強すぎる力が歯にかかってしまうため、歯の根や歯を支える骨や顎の関節に、深刻なダメージを与えてしまいます。
最悪の場合、歯が欠けたり、痛みで顎が開かなくなる顎関節症になったりするリスクもあるため、自分で出っ歯を治すのはやめましょう。
市販の矯正を謳うマウスピースを使う
市販の矯正グッズや、安価なマウスピースを使うのは、自分の歯並びに合っていないため危険な方法です。
歯科医院でおこなうマウスピース矯正は、精密な歯型やレントゲン検査をもとに、1人ひとりの歯並びに合わせてオーダーメイドで作製されます。しかし、市販の既製品はフリーサイズです。
合わない装置を無理に使うと、歯に異常な力がかかり、歯並びや噛み合わせをめちゃくちゃにする原因となります。
輪ゴムを歯にかけて引っ張る
輪ゴムを歯にかけて引っ張る方法は、歯が抜け落ちるリスクもある危険な行為の1つです。
矯正治療で使う医療用のゴムとは異なり、市販の輪ゴムは不衛生なうえ、力が強すぎます。さらに、ゴムが歯茎の溝に滑り込むと、歯茎が切れて炎症を起こし、歯を支えている顎の骨まで破壊するリスクがあります。
輪ゴムを歯にかけて引っ張る方法で歯を失う場合もあるため、絶対に真似しないでください。
爪やヤスリなどで歯を削ろうとする
爪や市販のヤスリなどで歯を削ろうとする行為は、歯の寿命を縮める、取り返しのつかない危険行為です。
歯の表面はエナメル質という硬い組織で守られていますが、一度削ると二度ともとには戻りません。素人が削ると、歯の神経に近い部分まで削りすぎてしまい、激しい痛みが出たり、最悪の場合は神経が死んで歯が黒ずんだりします。
感染症のリスクもあり、歯の形を整えるのは医療行為にあたるため、絶対におこなってはいけません。
出っ歯を自力で治すデメリット・リスク

出っ歯を自力で治すデメリット・リスクは、以下の6つです。
- 噛み合わせが悪化する
- 歯の根が溶けて短くなる
- 歯が抜ける恐れがある
- 強い痛み・炎症・口内炎が続く
- 顎の関節を痛める原因になる
- 結局歯科医院で高額な治療が必要になる
1つずつ見ていきましょう。
噛み合わせが悪化する
自力矯正のリスクは、出っ歯が治らないばかりか、全体の噛み合わせがさらに悪化します。
歯は上下左右でバランスを取り合っているため、前歯だけを無理やり押しても、奥歯の噛み合わせがズレてしまい、特定の歯にだけ強い力がかかる場合があります。その結果、食べ物が噛みにくくなったり、隙間が増えたりするなど、出っ歯だったころよりひどい状態になる場合も。
噛み合わせが悪化しては元も子もないため、出っ歯を自分で治すのはやめましょう。
歯の根が溶けて短くなる
間違った強い力を歯に加え続けると、歯の根が溶けて短くなる歯根吸収(しこんきゅうしゅう)を引き起こす危険があります。プロの矯正治療でも、歯根吸収は細心の注意を払うリスクの1つです。
歯科医師は安全な力加減をコントロールしますが、自力では不可能なため、強すぎる力や不適切な方向からの力で、歯の根の組織を破壊するリスクがあります。また、歯根が短くなると、歯を支える力が弱くなり、グラグラしやすくなります。
一度短くなった歯根はもとに戻らないため、自分で出っ歯を治すのはやめましょう。
歯が抜ける恐れがある
自力矯正による無理な力は、歯を支える骨や歯茎に深刻なダメージを与え、最悪の場合、健康な歯が抜けるリスクがあります。
歯は骨に埋まっていますが、不適切な力を長期間加えると、骨が溶けたり歯茎が下がったりするリスクを招きます。とくに歯周病の自覚がないままおこなうと、症状が一気に悪化する危険性も高いです。
歯を支える土台が失われると、歯はグラグラになり、最終的には抜け落ちる場合があるため、自分で出っ歯を治すのは控えてましょう。
強い痛み・炎症・口内炎が続く
自力で歯を動かそうとすると、コントロールされていない強い力がかかり、激しい痛みや歯茎の炎症、口内炎が続く場合があります。
歯科医院の矯正治療でも調整後は痛みが出ますが、それは計算された安全な範囲の力です。しかし、自分で指で押したり、市販のグッズを使ったりすると、必要以上の圧力がかかり続けるため、歯がズキズキと痛み続けたり、歯茎が真っ赤に腫れたりする場合があります。また、不適切な装置が口の粘膜に当たって、つらい口内炎が繰り返しできる原因にもなります。
出っ歯は自分で治さずに、歯科医院で治療を受けましょう。
顎の関節を痛める原因になる
自力矯正で噛み合わせのバランスを崩すと、顎の関節に無理な負担がかかり、顎関節症(がくかんせつしょう)を発症する原因になります。
出っ歯を押さえ込もうとして噛み合わせがズレると、顎は正常な位置で開閉できなくなるため、顎の関節や周りの筋肉に余計な力がかかり、「口が開けにくい」「顎がカクカク鳴る」「顎が痛い」といった顎関節症の症状を引き起こします。
出っ歯を自分で治す行為は、歯並びだけでなく、顎の健康まで損なう危険があるためやめましょう。
結局歯科医院で高額な治療が必要になる
自力矯正で失敗した場合、そのリカバリーのために、結局は歯科医院で高額な治療が必要になるケースがほとんどです。費用を節約するつもりで始めた自力矯正が、歯並びや噛み合わせをさらに複雑な状態にし、通常の出っ歯を治すよりも困難な治療計画が必要になります。その結果、治療期間も長く、費用もかえって高額になるケースも少なくありません。
取り返しのつかない状態になる前に、最初から歯科医師に相談するのが安全です。
出っ歯を治すための専門的な治療法

出っ歯を治すための専門的な治療法は、以下の5つです。
- ワイヤー矯正
- マウスピース矯正
- 部分矯正
- 外科的矯正治療
- セラミック矯正
それぞれご紹介します。
ワイヤー矯正
ワイヤー矯正は、歯の表面にブラケットという小さな装置を付け、そこにワイヤーを通して少しずつ力を加え、歯を正しい位置に動かして出っ歯を治す治療法です。軽度から重度の出っ歯まで、幅広い症例に対応できるのがワイヤー矯正の強みになります。
ワイヤー矯正は、抜歯が必要なケースや、歯を大きくうしろに下げる必要がある場合に効果的です。
マウスピース矯正
マウスピース矯正は、透明で目立たないプラスチック製のマウスピース型装置を、定期的に新しいものに交換しながら歯を動かす治療法です。自分で取り外しができるため、食事や歯磨きは普段通りおこなえるのがマウスピース矯正のメリットになります。
ただし、1日20時間以上の装着時間を守る強い自己管理が必要です。また、出っ歯の程度によっては、マウスピース矯正が選べない場合もあります。
関連記事:重度の叢生はマウスピース型矯正治療で治せる?適切な治療方法を解説
部分矯正
部分矯正は、奥歯の噛み合わせには問題がなく、前歯だけが少し出ているような、比較的軽度の出っ歯の場合に選択できる治療法です。すべての歯を動かす全体矯正と比べて、治療する範囲が前歯周辺に限定されるため、治療期間が数カ月と短く、費用も安く抑えられる傾向にあります。
ただし、抜歯が必要なケースや、奥歯から動かす必要がある出っ歯には適用できないため、まずは歯科医師の診断が必要です。
関連記事:叢生は部分矯正で治せる?治療できるケースとできないケースを紹介
外科的矯正治療
外科的矯正治療は歯並びだけでなく、顎の骨格そのものが大きく前に出ている骨格性の出っ歯の場合におこなわれる専門的な治療法です。外科的矯正治療は、歯を動かすワイヤー矯正と、顎の骨を切ってうしろに下げる外科手術を組み合わせておこないます。
顎の骨格から改善するため、顔の印象が変わる可能性があるのが特徴です。顎変形症(がくへんけいしょう)という診断がつくと、公的医療保険が適用される場合があります。
セラミック矯正
セラミック矯正は、実際には歯を動かす矯正治療ではなく、出っ歯に見える歯を削り、その上からセラミック製の被せ物をして、見た目だけを整える方法です。治療期間が数週間と短いのがセラミック矯正の特徴になります。
しかし、健康な歯を削る必要があり、一度削った歯はもとに戻りません。また、歯の根元や骨格は変わらないため、根本的な出っ歯や噛み合わせは改善されない場合があります。
セラミック矯正は、メリットとデメリットをよく理解する必要がある治療法です。
出っ歯の治療にかかる費用・治療期間

以下は、出っ歯の治療にかかる費用・治療期間をまとめた表です。
| 治療法 | 費用相場 | 治療期間 | |
| ワイヤー矯正 | 表側矯正 | 約60万円~100万円 | 約2年~3年程度(抜歯の場合) |
| 裏側矯正 | 約100万円~150万円 | ||
| ハーフリンガル矯正 | 約80万~120万円 | ||
| マウスピース矯正 | 約70万円~100万円 | 約1年~3年程度 | |
| 部分矯正 | 約30万円~60万円 | 6カ月~1年程度 | |
| 外科的矯正治療 | 約50万円~80万円程度(保険適用の場合の自己負担額) | 約2年~3年以上 | |
| セラミック矯正 | 1本あたり約8万円~15万円程度 | 数週間~数カ月 | |
費用は各歯科医院によって異なり、治療期間には個人差があります。各詳細は治療を受ける歯科医院へお問い合わせください。
自分でできる出っ歯を予防するための方法

自分でできる出っ歯を予防するための方法は、以下の5つです。
- 舌の正しい位置を意識する
- 鼻呼吸を習慣づける
- 指しゃぶり、爪噛み、唇を噛む癖を直す
- 頬杖をつくのをやめる
- 口周りの筋肉を鍛える
1つずつ解説します。
舌の正しい位置を意識する
出っ歯の予防には、舌を常に正しい位置に置いておく意識が大切です。正しい位置とは、舌の先端が上の前歯の裏側にある膨らみに軽く触れ、舌全体が上顎に吸い付いている状態を指します。
無意識のうちに舌がだらりと下がり、前歯を押していると、その圧力で徐々に出っ歯が悪化する原因になります。
普段から自分の舌がどこにあるかを確認し、上顎に収める習慣をつけるのが大切です。
鼻呼吸を習慣づける
出っ歯の予防には、日常の呼吸を口呼吸から鼻呼吸に改善するのが重要です。
慢性的な口呼吸は、口が常に開いている状態を作り、唇が歯を押さえる力が働かなくなるため、前歯が前方に傾きやすいです。また、口呼吸の人は舌の位置が下がりやすく、内側から歯を押す癖にもつながります。
意識して口を閉じ、鼻で呼吸する習慣を身につけると、口周りの筋肉バランスが整い、歯並びの悪化予防に役立ちます。
指しゃぶり、爪噛み、唇を噛む癖を直す
出っ歯の悪化を防ぐためには、指しゃぶりや爪噛み、下唇を噛むといった癖を直すのが大切です。これらの癖は、指や唇で上の前歯を前に押し出し、下の前歯を内側に倒すような直接的な力を加えます。とくに長期間続く指しゃぶりは、開咬や出っ歯の原因の1つです。
指しゃぶり、爪噛み、唇を噛む癖は無意識におこなっている場合が多いため、周囲に協力してもらい、根気強く改善していくのが大切です。
頬杖をつくのをやめる
出っ歯の予防や顔の歪みを防ぐためには、頬杖をやめるようにしましょう。頬杖は、片方の顎や歯に対して、持続的に強い圧力をかける行為です。一方的な力が毎日積み重なると、顎の骨の成長や顔の対称性に影響を与え、歯並びを歪ませる原因になります。
勉強中やリラックスしているときに無意識でやりがちですが、頬杖が歯を前方に傾けるのを助長する場合もあるため、気づいたらすぐにやめるようにしましょう。
口周りの筋肉を鍛える
出っ歯の予防として、口周りの筋肉を鍛えるのも有効な方法です。口輪筋が弱いと、唇を閉じる力が弱くなり、口呼吸や出っ歯を助長する原因となります。
簡単なトレーニングとして、唇をしっかり閉じてブクブクうがいの真似をしたり、「あー」「いー」「うー」と口を大きく動かしたりする体操があります。外側から歯並びを支える力を強めるために、口周りの筋肉を鍛えて、舌の力とのバランスを整えましょう。
まとめ
出っ歯を自力で治す行為は、歯や歯茎を傷つけ、最悪の場合は歯が抜けるリスクがあるため絶対におこなってはいけません。自宅でできる対策は、舌の位置を正したり口周りの筋肉を鍛えたりして、これ以上の悪化を防ぐ予防習慣を身につけるのが限界となります。
コンプレックスを安全に解消するためには、歯科医師による診断が必要です。まずは無料相談を利用して、自分に合った治療法を聞いてみましょう。
当院では、自己流の矯正によるリスクを避け、患者様のご希望やご予算に合わせた安全で確実な治療プランをご提案しております。初回の矯正相談は無料のため、自己判断で歯を傷つけてしまう前にお気軽にご相談ください。
無料相談受付中!
お気軽にご連絡ください。

コラム監修者
- はぴねす歯科・矯正歯科 南千里駅前クリニック 総院長 野澤 修一
- 福岡歯科大学を卒業後、福岡県・大阪府・兵庫県の歯科医院にて14年間勤務。その後、2014年9月に「はぴねす歯科石橋駅前クリニック(大阪府池田市)」、2018年6月に「緑地公園駅前クリニック(大阪府府中市)」、2020年7月に「川西能勢口駅前クリニック(兵庫県川西市)」、2022年11月に「尼崎駅前クリニック(兵庫県尼崎市)」を開院。現在は医療法人はぴねすの理事長として4医院を運営。
関連記事
Warning: array_shift() expects parameter 1 to be array, bool given in /home/happiness-dc/www/happiness-minamisenri.jp/wp-content/themes/happiness-minamisenri/templates/content-column.php on line 93

裏側矯正で叢生は治せる?注意点やメリットを解説
「裏側矯正の費用や治療期間を具体的に知りたい」 「裏側矯正の痛みや発音への影響などのデメリットを把握したい」 叢生を裏側矯正で治したいと考え…続きを読む

叢生を放置するとどうなる?リスクと矯正の必要性を解説
叢生(そうせい)とは、歯がでこぼこに生えていたり、重なっていたりする状態を指します。 叢生にお悩みの方のなかには、「生活に支障がなくても矯正…続きを読む